生活習慣病について

30年ほど前まで生活習慣病は成人病と呼ばれており、加齢に関係するものと思われていました。しかし研究が進み、生活習慣の改善により予防が可能であること、成人でなくても発症する可能性があることから、1996年に当時の厚生省の提唱で現在は「生活習慣病」という名称が一般的になっています。

生活習慣病の種類

ここではよく知られた疾患についてご説明します。

高血圧

高血圧では血圧の高い状態が継続することにより、血管の内壁に過度の負担が生じる病気です。健康な人の血圧は、最大血圧が140㎜Hg未満、最小血圧が90㎜Hg未満とされ、このいずれかが高くなった状態が高血圧です。傷によって血管内が固くなって柔軟性が失われると狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血に罹患しやすくなります。

糖尿病

何らかの要因によって血液中のブドウ糖が上手く細胞に取り込めなくなり、血液中にブドウ糖が過剰になってしまう状態を糖尿病といいます。長期にわたって血液中の糖が多すぎる状態が続くと様々な合併症を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞、人工透析、失明などの深刻な事態に陥る場合もあります。

脂質異常症

脂質異常症は血液中に含まれる脂肪分の濃度が異常値を示す病気です。LDLコレステロール値(悪玉コレステロール)が140㎎/dl未満、HDLコレステロール値(善玉コレステロール)が40㎎/dl以上、中性脂肪が150㎎/dl未満が基準値です。この値のいずれかが逸脱している方は脂質異常症と考えられます。

高尿酸血症(痛風)

血液中に含まれる尿酸の濃度を数値化したものを尿酸値と言い、この数値が7.0mg/dl以上と判定されると高尿酸血症と診断されます。尿酸は水に溶けにくい性質で、高尿酸血症の状態になると結晶化するようになります。尿酸の結晶は長い針のような形状をしており、足の親指の付け根などにたまると炎症が生じ、激しい痛みなどの症状が現れます。これを一般的に「痛風」と呼びます。

生活習慣病の
予防と治療

疾患がある程度進行してしまっている場合は薬物療法が必要ですが、初期や予防の段階では生活習慣の改善が非常に重要です。具体的には塩分や油分を控えめにバランスの良い食事にする、飲酒量を減らす、適度な運動を継続的に行うなどがあります。
治療法については進行度合いや患者さんのライフスタイルなども考慮の上、検討していきます。気になることや不安なことなどあればお気軽にご相談ください。